ノミやダニは犬や猫に寄生しますが、人にも様々な影響を及ぼすことがわかっています。
たとえ室内飼育であったとしても、犬猫の体表や人の衣服等に付着して家の中に持ち込まれることもしばしばあります。
今回お伝えする病気は、ダニによって動物と人に感染する『重症熱性血小板減少症(以下STFS)』です。
STFSウイルスを持つマダニに吸血されることにより感染する病気で、2013年に初めて人への感染が認められました。
2020年12月30日現在で「573名」の患者が報告されており、その中で死者数は「75名」、致死率が「約13%」と非常に高いのが特徴です。
西日本を中心に発生していますが、都内でも1例届出が出ており発生地域は徐々に北上しています。
(出典:国立感染症研究所HP)
それでは感染を防ぐためにはどのように予防するのがいいのでしょうか?
厚生労働省のホームページより抜粋し、要点をまとめてみました。
・STFSが感染した動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染する可能性があるため、動物と接触後、特によだれや血液など付着した場合は必ず手を洗うようにすること。
・マダニに寄生された動物が体調不良の際には、咬まれたり舐められたりしないように細心の注意を払いながら、動物病院で診察してもらうこと。
・野生動物との接触を避けること。
・ペットがマダニに咬まれないようダニ駆除剤による予防を行うこと。
(参照:厚生労働省のHP)
このように飼育している動物への感染をきちんと防ぐことで、人への感染も最小限に抑えることができます。
昨年の2月からすでにマダニが寄生した症例が動物病院に来たこともあり、ノミやマダニの予防は1年通して行うことを推奨しております。
当院では数種類の予防薬を用意しており、投与の仕方や予防する対象の範囲が異なります。それぞれのワンちゃんやネコちゃんにあった予防薬はどれなのか、お気軽にご相談ください。